「夢見る星座」「おまけの翌週金曜日」柳沼(上司)×久世(部下)
うなじ、手首の内側、君のほくろはスーツに隠れそうな場所にある。それを線でつないだら、綺麗な星座になるだろう…。男たちが日々で抱える秘密の妄想が、ある日美しい恋になった。(あらすじ転載)
この話は雑誌でリアルタイムで読ませていただいたんですが、すごくスキでした。タイトルから夜空の星を想像して読み始めたら、星座の成分は体にちらばるほくろ達!
その着眼点がとてもロマンティックでうっとりしたものです。
「おまけの~」はデートの約束する2人が可愛かった。あんたら高校生かい!(笑)
「白昼白夜」メガネの先輩
西野圭一
大家族の西野は家族の為に生活を浸食され、それでも我慢に我慢を重ね寝不足と心理的過労で倒れてしまう。保健室で面倒をみてくれたのはぶっきらぼうだけど優しい先輩。家族を愛するために我慢をする西野を、先輩も西野に対して持つと告白も同然のセリフ。お互いに淡い恋心を抱いて…な良い部分にて終了。先輩はムッツリっぽいので、この2人の続きはすごく気になる。
この作品での見所は、時間の経過がさりげなく背景に書き込まれている事。中でも印象的なのは全て違う形状の時計(7つ)が登場している部分で、確かに自分でも日常は様々な時計を生活シーンに応じて使い分けている。マンガにおける「日常」部分を表現する上で、読者も作者も忘れがちになる地に足がついた感じ。さらっと描かれているのだが、地味である故に真の実力者しか表現できないことでもある。人が普段見落としてしまうさりげなく大切な部分を丁寧に拾い上げ、着目できる観察力と職人草間のこだわりを感じる部分でもある。
「されど美しき日々」元委員長
元いじめられっこ・山口健介 もと小学校の同級生
小学校の事に突然いじめられたねずみ顔の山口。いじめにあっても委員長だけは仲良くしてくれた。閉鎖された2人の空間。しかしその裏にはさまざまな複雑な事情はあって…。
これもタイムリーに読みました。
最初読んだ時には委員長ってなんて腹グロなんだ…と思いましたが、何度も読み返すうちに基本はぶれずに山口にメロメロなんだなぁという、子供の独占欲みたいなかわいさがありました。
先日某インタビューで。この話しを考えた時、後々単行本に収録されることも考慮して全体から浮かないように、しかしアンソロのテーマ(不細工特集)には沿った話しを考えなければならず大変だったと返答されていてびっくりしました。私など場当たり的な人間には、そこまでの長期的な視野が欠けていますからね。
話しかわりますけどp79のジェイソ○くん状態の物体は、当初は某ペンギンちゃんを目指したらしいです(笑) 草間さんでも、そんな楽しい失敗?があるんですね。
「夏の道しるべ」探偵・コヅカ
受験生・稔
祖父の秘密を知る稔。祖父が他界したあとも、祖父に言われた事を守りある家を守り続ける。そして身元不詳のコヅカという男と出会う。ゆっくり流れる家で目的もなく過ごすうちに、徐々に惹かれていく2人。そして…
小さい家なのに、秘密の隠れ家みたいなゆっくり流れる時間が表現されています。ちょっとしたエピソード(稔の○秘コレクション、置き薬とか)も、その奥に隠された祖父のロマンス?も気になります。祖父たちのロマンスが、孫たちにも引き継がれていったら不思議な縁なんだなぁと思います。
「恋愛恐怖症」天野幸彦
坂本崇 大学生同士
昔付き合っていた相手に言われたセリフがトラウマになっている崇。その後相手に傷つけられるのが怖く、誰とつきあっても長続きしない。昔言われたセリフに取り憑かれたように縛られる崇。それを見て、天野はそのおおらかさをもって崇を包み込み、しがらみから解き放ってくれる。
私は普段から荷物が多く、カバンが大きくないと不安な人間です。しかし勤務中はさすがにカバンを持っていけないから、制服のポケットの中は天野状態になっています。二つあれば、冬眠前のリスのように両側膨れています。
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夢見る肉食獣
2007.0819
「赤ずきんの夢」…肉食獣
「狼少年とノンレム睡眠」…夢見る星座
の2本と、各作品のカプに関するフリト、二コマ×3マンガなど収録。えへえへお得な同人誌です。