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アタ 藤たまき

アタ (ミリオンコミックス 26 CRAFT SERIES 18)アタ (ミリオンコミックス 26 CRAFT SERIES 18)
(2007/06/18)
藤 たまき

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高校2年生・影郎(17)×書店バイト・アタ(16)

藤たまきさん、以前チャットでお勧めされて数冊買い求めたのですが、ちょっと昔な絵柄と独特の雰囲気で入っていけずに積んどく山に後回しになっていました。再挑戦しようと思ったのは、別のお友達@BLハンターもこの作品を絶賛していたからです。

まずは立ち読みでおそるおそる最初の数ページ開いてみて、やっぱり苦手感は付きまとっていたのですが、どうにか読むコツを掴めたのか1話読了。1話読み終わった後に、もう一度腰をすえて最初から読んでみたいという気分になり、書店に買いにいきました。

結果:読み応えは満点! 読んでよかった。食わず嫌いはいけないね! 
 


■あらすじ(転載)
ひとつの屋根の下、他人同士でありながら、影郎(攻め)とアタ(受け)は、兄のように、弟のように、家族として暮らしている。まっすぐで健全な心の持ち主である影郎。傷つきやすく、そのくせいつも誰かに恋をしているアタ。ふたりは一番近くにいながら、恋人としてはもっとも遠い存在だったのだが・・・春を恋う少年達のラブ・ストーリー。


最初、この主人公達の名前がなんだ??という部分で引っかかり、「BLだからヘンチクリン名前でも仕方ないのか…」と無理矢理納得させながら読み進めました。←どんな頑固オヤジだ!?
最後の最後でさりげなく、このヘンチクチンな名前についてのエピソードが出現するのです。BLだからって、どこかバカにして読んでいた自分。すごく恥ずかしくなり+虚をつかれ、そして不覚にも涙がドーって出そうになり困りました。

それはさておき、母が運営する保育所の手伝いをする影郎。そしてその出身者であるアタ。
アタは母親に望まれぬ子として保育所に入れられ、でも年の近い影郎と兄弟のようにして育つ。そして思春期を迎え、影郎はアタをいつまでも自分の庇護の元におきたいと願い。アタはそいういう影郎に頼ってはならないと、フラフラと少しでも優しくしてくれる男についていってしまう生活。永遠に二人きりで過ごせると思っていた子供時代を今も諦めきれない影郎。将来を見て変わっていこうとするアタ。

最初から最後まで、誰がアタとくっつくのかが分からず。
沢山の恋人が途切れなくいるアタであっても、アタは相手に望まれて恋愛する受け身的な恋にすごく苦しんでいるのだけが分かり、本当にアタが幸せになる日が来るのだろうか…と思って読んでいました。アタなりに相手を好きになろうと努力し、でも自分を救いだしてくれる救世主は現れず。
ロクでもない男にひっかかり。影郎が頑固オヤジのように別れさせ、アタはいつでも心の隙間を埋める相手をさがしてフラフラしている。アタも気付かないアタの本命。失っては怖い存在。それを失うくらいなら、二番目に好きな人でもいいという気持ちは良くわかります。

今まではそれでもどうにかアタと影郎はやってこられたのですが、影郎の親友の讃岐とアタがつき合い始めます。讃岐はとても頭のいい男で、そしてアタを一番大切にしてくれる。さすがの頑固オヤジの影郎も、アタの恋愛相手として認めざるを得なくなってしまいました。

でも讃岐も、いつもアタの心を占めている男の存在がいることはアタ以上に知っており、それでも時間の流れでいつか自分が消し去ってやれると信じてつき合うのです。しかしつき合いが長くなればなるほど、アタの心を占める男の存在の大きさに讃岐は自分の無力感と絶望感を抱きます。そして結局自分は一生アタの1番にはなれないということを、頭ではなく感情として知らされる事になり、讃岐から別れを切り出します。
そのときの讃岐は、たぶんエリート街道まっしぐらで「挫折」という言葉を知らなかったと思うのです。そして自らの感情にずっとフタをして逃げ回ってきたアタに、アタの幸せを願い、讃岐は一見辛い言葉でアタを責めアタを自由にしてあげるのです。

なんと遠回りをして、そして沢山の人を傷つけてきたアタと影郎。体は大人になっても、相手を大切に思う気持ちは子供の頃から何にも変わっていなかったのです。そいういう基本的な部分にはじめて気付いた時、二人は対等に相手を求めあうことが出来たのではないでしょうか。

案ずるよりも産むが易し。
小さい頃から恵まれなかった子供であるアタを、影郎は大きな愛でつつみ。そしてその二人を周囲は、良い関係として認めてくれる。素晴らしい結末だなぁと思えました。

| 藤たまき | 19:31 | comments(-) | TOP↑

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