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上海~うたかたの恋~ かわいゆみこ

Mりさんのプッシュもあり(その割にはスローアクションですが)、今さらながら読みました。もう10年以上前の作品(+絶版)ですけど時代物でもあるので、読みながらも内容に古さを感じませんでした。ちなみに遅読で右に出る者のいないokapiですが、話に引き込まれて気がついたら3時間くらいで読んでしまいました。すばらしい読み応え。余韻。読後感。

かわい作品の原点を知るにはこの作品はとても良いと思いました。

今のBLには参考文献なんか載せてませんけど、裏にびっしりリスト化された文献の内容をいかに堅苦しくなく話しの中に展開できるかという才能はすばらしいなぁと思いました。ここでの知識が後々の作品にも活かされているのかしら。かわい作品はそれほど読んでいないので分からないですけど…
 
上海―うたかたの恋 (ビーボーイノベルズ)上海―うたかたの恋 (ビーボーイノベルズ)
(1998/08)
かわい ゆみこ

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4才離れた幼なじみ 兼 名門貴族の子息×使用人

■あらすじ(転載)
「どうぞ私をおそばに置いて下さい」
 報われぬと知りながら、名門貴族の子息レイモンドへの恋に身を焦がすエドワード。想いを隠し、主人に忠実な執事、そして家族のような幼なじみとして彼に仕えるが…
 


彼らの子供時代からの出会い~そして奔放に遊び(攻め)従順に仕える(受け)に萌え~運命のいたずらに引き裂かれた恋人たち。

そもそも受けの出生からして家族に恵まれておらず、でもそんな不幸は不幸とも扱われなかった時代。名前こそエドワードですが、彼は父を知らず母には捨てられ、自分の名前さえ知らず戸籍さえない中国人の私生児なのです。そんな境遇を知り、家族同様に受け入れ育ててくれた異国人の一家のため、一生を尽くそうと必死に尽くすエドワード。才能もあり、教育を受けてメキメキと頭角を表すものの、中国人というだけで蔑まれ侮蔑の目で見られる。それでもレイモンドの家では大切に扱われ、責任ある仕事を任されます。

昔は一緒にあそんだレイモンドとエドワードですが、レイモンドが英国で学び帰国するころには中国人の幼なじみにたいした興味も抱かなくなっていました。

それから紆余曲折あり、レイモンドが婚約→結婚式直前に破談。病気で生死の境を彷徨うなど様々な試練が襲いかかります。でもどんなに冷たい仕打ちをされても、レイモンドへの想いを押し殺し、陰からしっかりと支えるエドワード。自分の身分をわきまえて、出しゃばりすぎず黒子に徹する見事な執事ぶりです。

時代の不幸も重なり、手もとになにも無くなってしまったレイモンドですが、エドワードの長年の想いにやっと気付いて2人は体の関係になります。ちょっとこの辺りは性急な感じは受けましたが、自分の片想いが実りレイモンドと何度体を重ねても「貴族の子息」と「執事」の関係には徹するエドワード。朝まで一緒に過ごそうとレイモンドが誘っても、そこにはエドワードが超えられない一線があり、生まれながらにして執事体質なんだなぁと思いました(笑)

その幸せな時間も時代の荒波にもまれ、戦争の混乱から2人は泣く泣く引き裂かれてしまいます。レイモンドはエドワードを英国に連れて行こうと頑張りましたが、戸籍のないエドワードが海を渡ることは出来ませんでした。しかし家族のいないエドワードを残して帰国することに最後まで抵抗したレイモンドは、エドワードにこの地で生き延びてもらう最後の手段として自分の大切な指輪を預けます。それを、あとから届けに来てもらいたいと。

そして最後に恋人たちは無事に再会するのでしょうか…
この辺の下りは、大河ドラマを見ているような臨場感でした。

昔のBL(ビブロス)って、こんなにしっかり描いていたんだなぁと思いました。
人の半生を追ってくる書き方で、読後脱力感と余韻に浸っていたい…そんな作品でした

| かわい有美子 | 23:51 | comments(-) | TOP↑

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